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2011年 04月 24日
回転の早いプロフットボール業界
 ここ5年、何とか仕事をやりくりしてせっせと海の外へ出かけていたのだが、さすがにしばらく遠出はできなくなるかもしれない。今の仕事を続けるならば、最後までこの地にとどまらなければいけないことははっきりしてはいるものの、果たして自分の人生はこれからどうなっていくのか、ここにきてちょっと見当がつかなくなっている。生きてる内にこんなこともあるんだなあ、とぼんやり思ったりもしてるが、実はそんな感慨にふけっている場合でもない程度には、事態は好転していない。だからといって、自分の力ではいかんともしがたいことについて、くだくだ悩むのも馬鹿馬鹿しい。
 日常生活とは距離がある世界をテーマにブログを書くことは、ていのいい現実逃避の手段だ。少なくとも自分はそう思ってここを続けている。


 …ということで、またしてもサッカー=フットボール。相変わらず戦術その他の技術的なことについては怖くて書けず(なにせ一蹴りもしたことすらないので、ほんとのところがさっぱりわからん)、もともと関心がフットボールの周辺部分にばかり向いているような底の浅いミーハーなので、書けることなどたかが知れているけれど。

 バイエルン・ミュンヘンのカタログが重量感に溢れたゴージャスな体裁だということを以前書いたが、イヤーブック(いわゆる年鑑)もまた、ヘビー&ゴージャスなんである。ドイツ中西部を駆けめぐってカタログやら雑誌やら集めまくっていた昨年は、さすがに遠いミュンヘンからカタログとイヤーブックの両方をお持ち帰りするという荒行に耐える覚悟はなく、購入を見送ってしまった。今、手元にあるのは2006/2007、2007/2008、2009/2010シーズンの3冊。選手の入れ替えが激しいだけでなく、外観のデザインも内容も毎シーズンがらっと変わるので、今度はどんな体裁になるのかと期待するのもファンの楽しみなのだろう。
 2007/2008バイエルン・ミュンヘンのイヤーブックの選手紹介ページには、各選手へのQ&Aがあって、回答欄のところどころが本人の手書き文字(印刷)という体裁になっている。回答の内容もさることながら、それぞれの筆跡からもキャラクターがかいま見えるような気がして、見ていてとても楽しい。 欧米圏では、日本や中国、またはアラビア語圏とは異なり、「字をきれいに書きましょう」という意識があまりないらしく、「わかればいいや」って感じのテキトーな字を書く人が多いのだが、各選手の書き文字を見ると、やっぱりそんな感じ。 それにしても、もうちょっときれいに書いたらどうよと思いつつページをめくっていくと、ふと流麗な筆記体が目に飛び込んでくる。こなれた感じの美しい文字を書いていた人、 それは、現1.FCケルンのGK、ミヒャエル・レンジング選手だった。オリバー・カーンの後継者として将来を嘱望されながら、失意の内にバイエルンを去り、いっとき「さまよえるドイツ人」となり、紆余曲折の末、ケルンへやってきた苦労人。そういう字を書く人だとは、正直意外というか…いや、とても繊細な人なのかもしれないな、とその筆跡を見て思ったのだった。
 その2007/2008シーズンのイヤーブックには、現在、ボルシア・ドルトムントの鉄壁センターバックとして名を馳せている、マッツ・フンメルス選手のページがある。単に若いというだけでなく、もう雰囲気そのものが今とは全く違っていて、まるで別人のようだ。たかが4年、されど4年。成長するとなにもかも変わるんだなあ…
 このイヤーブックに載っていて、今もバイエルン・ミュンヘンに在籍している選手は、全体の1/3にも満たない。あらためてプロフットボールの世界の回転の早さを実感する。こんな世界で十年以上もトップを走り続けているような選手というのは、本当にすごいと思う。

回転の早いプロフットボール業界_a0021929_5391841.gif マッツ・フンメルス選手。整った顔立ちの人ほど描きにくいものだけど、彼はむしろ目鼻立ちがくっきりしたところに特徴があるのでうまくいくかな、と思ったのだが甘かった。よく知りもしないで写真だけ参考にして描いてみても駄目だー。

 
回転の早いプロフットボール業界_a0021929_5393665.gif 彼はドルトムントの選手なので、背景はもちろん黄色だろうということで黄色にしてみたが、赤も似合うな(もともとバイエルンの選手だったことだし)。

 黄、赤ときたら青、ということで青背景も作成してみた。が、ドルトムントの選手に青はまずかろうということで、ここでは自重。いやなんとなく。
# by terrarossa | 2011-04-24 05:46 | サッカー
2011年 03月 27日
「被災県」にて、生きております。
 ブログをさぼっている間に、イメージが定まらず、ぱっとしないことにかけては全国一かと思われていたうちの県が、世界的に知名度の高い被災県になってしまった。当日は、とある会議室で研修会を開催していたのだが、だだ広い会場全体が、サスペンションのいかれたウラジオストクのバスのようにぐわんぐわん揺さぶられ、天井から石膏材の大きな固まりと白い粉末が剥がれてばらばら降ってきて、みんなで机の脚にしがみついてやりすごしたものの、生きた心地がしなかった。それでもここは海沿いの地域にくらべると「全然何ともない」程度の被害しかなかった。そうは言っても、ついこの前までは、ガソリンも灯油も全く手に入らず、食料品も不足するという過酷な状況だった(たのむから生活用水確保できてるところで水買い占めないでくれー。断水していて、飲み水にも困っている地域がまだたくさんあるんだ。報道されてる地域以外の所でも!)。震災から2週間が過ぎて、状況は少しずつ改善している。ではこのまま順調に復興の道を、といきたいところだが、残念ながら、うちの県だけどんどん厳しい状況になっている。農林水産業にとっての真の脅威は、放射性物質による実害よりも、無責任な噂や思いこみによる風評被害だ。農業関係者としては、むしろこれからがしんどいことになりそうだ。

「被災県」にて、生きております。_a0021929_16511591.jpg

 昨年11月に、久しぶりに訪れたいわき市のアクアマリンふくしまで撮影したカクレクマノミ。3月11日、ここも地震と津波の被害を受けて、電源供給システム自体が駄目になり、展示されている生物の生命維持を諦めざるを得ない状況になった。大型ほ乳類などごく一部の生物は他の施設に避難させたとのことだが、魚類その他は弱って死んでいくのを見ているしかないという。水槽いっぱいのイソギンチャクにみっちみちになって入っていたカクレクマノミたちも、もう駄目なんだろなあ…
# by terrarossa | 2011-03-27 16:55
2011年 01月 01日
新年のごあいさつ
 あけましておめでとうございます。

 昨年は、完全に年賀状をさぼりました。二年連続でさぼりではアレなので今年は…と決意するも、年が明けてから慌ててリアル年賀状作成に励むダメ社会人ですが、どうかよろしくお願いします。
新年のごあいさつ_a0021929_865523.gif

 ウサギ:「オレの寝場所……」
 カメ:「あれ、ダレ?」
# by terrarossa | 2011-01-01 00:00
2010年 12月 24日
雪がガンガン降っている
 ここは、ホワイトクリスマスとか、悠長なことを言ってられないレベルで雪が降る地域である。一晩で1m近く平気で積もったりする。ああ、早起きと腰痛の季節がいよいよ今年も到来したか…

雪がガンガン降っている_a0021929_2352538.jpg アカガネサルハムシ。メタリックグリーン×メタリックレッドの配色は、まさにカラー!

# by terrarossa | 2010-12-24 23:10 | いきもの
2010年 12月 18日
明るい日本(物理的に)
 今年のドイツ旅行中に滞在した「貸家」では快適に過ごすことができたが、ただひとつ困ったことがあった。
 照明が暗いのである。
「私は明るい照明がキライ」と言う家主さんの家は、リビングにも寝室にも、天井の照明が設置されていなかった。だだ広いリビングにあったのは、机上のスタンドと、ソファ脇の読書灯、階段を照らす薄暗いスポットライトのみ。夜になると足元は真っ暗で、最初の内は何かにつまずきやしないかと、おっかなびっくり忍び足で歩かねばならなかった。そして、これまた広い寝室にはベッド脇の電気スタンド30ワットのみ。とっぷり日が暮れた後は、運び上げたスーツケースの荷解きも整理も暗すぎてよく見えず、ドイツに来てまずやったことは、電気屋を探して60ワットの電球を買うことだった。
 ベッドスタンドの電球を、使用可能上限値の60ワットにこそっと付け替えて、なんとか部屋全体がおぼろげに見えるようにはなったが、細かい文字を読むにはまだ暗い。だが幸いというか、クローク(物置)はまともに天井の照明があって明るかった。ということで、家主さんの服や靴や鞄に埋もれながら本や雑誌を読んだりしていたのだった。ドイツで一体何してたんだ自分。

明るい日本(物理的に)_a0021929_9122012.jpg ここまで極端なケースは希だったとしても、おしなべて欧州の夜は暗い。というか、日本が明るすぎるんだろうな。ずっと以前、世界的には「橙色の夜」が標準で、白色の灯が圧倒的に多い日本の方が特異的なのかもしれない、という記事を書いたことがあったが、白い光だけじゃなく、物理的により明るい光を好むのもまた、日本人の特徴なのかもしれない。そういう日本の環境で育った日本人としては、暗い夜に慣れるまでが一苦労だった。そういえば子供の頃、部屋が暗いままで本など読んでると「目が悪くなるよ」と注意されたものだったが、向こうの人たちは、あんな暗い照明の下で夜を過ごしていたって、別に「目が悪く」なる訳でもないようだ。瞳の色が薄い人は、より光を感じることができるので、そのような人が多い欧州では暗い照明でも大丈夫なのだ、という話をどっかで聞いたことがあるけれど、その欧州だって、濃い色の瞳の人が大勢いるはずだから、やはり育った環境による慣れの方が大きいのではないかと思う。
 日本でも最近は橙色の外灯が増えてきたし、家屋の照明も、以前より黄色味の強い、いわゆる電球色が好まれる傾向にはあるようだが、やはりオフィスのような白色の照明をつけているところがまだまだ多数派だ。
 海外から帰国して、日本に戻ってきたことを最初に実感するのが夜だ。まばゆく白い光に満ちあふれた日本の夜。今回もたかが一週間やそこらの海外旅行だったが、帰宅してみれば、家の照明がなんだか明るすぎるし白すぎるしで、しばらくは落ち着かなかった。慣れってコワイ。
# by terrarossa | 2010-12-18 09:14 | 見聞録