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2014年 03月 10日
2012年夏、中国のサッカーも見に行った・その2
 入場までだいぶ時間があるので、いったんここを離れ、買い物かお茶でも…と思ったが、まずスタジアムを出るまでたいそうな距離を歩かなくてはいけなかった。仕方なく延々歩いて外へ出たが、おひとりさまでも気安く入れそうな店は見当たらない。昼過ぎの強烈な日差しはどこへやら、いつの間に空はどんより曇り、じっとりと不穏な湿気があたりを覆っている。そのうちどんどん雲行きがあやしくなっていき、ゴロゴロ雷鳴が聞こえてくるとともに、とうとう雨がぱらぱら降り出した。
 結局、飲まず食わずのまま、うんざりするような距離をダッシュしてスタジアムへ引き返す。この選択は正解だった。スタジアムの入口にたどり着いた頃、雨はもはや、スコールと呼んでもいいようなレベルの豪雨になっていて、全方向から稲妻がビッカビッカ光りまくり、そこいらじゅうに雷が落ちまくっていたのだから。
 こちらを訪問してくださる奇特な読者の皆様は薄々お気づきかもしれないが…また雨だよ。どこの国に行っても雨だよ…なんでウェルカム・レインばっかなんだ…


a0021929_2185038.jpg 雨を避けて集まってきた人たちとともに、スタジアム正面の軒先で雨宿りすることおよそ1時間。いっこうに雨が弱まる気配はない。
 
 そうこうするうちに開場になったので、スタジアム内へ入ることにした。

a0021929_2193146.jpg が、悪天候のせいなのか、それともいつもこんな感じなのか、街なかの喧噪とは全くかけ離れた静けさが場内に漂っていた。ただ、ただ、がらーんとして広いばかりで人影はほとんどない。

 売店らしきブースも見当たらず、入場ゲート付近に、ブロックに板を乗っけただけの平台にナッツ系の菓子と冷えてないジュース類が数種類ばらばら並べられているだけ、という極めて簡素な販売コーナーがあったのみ。その、あんまりといえばあんまりなしょぼさは、いかにこのリーグが不人気で客が少ないのかということをあますところなく体現しているかのようだった。
 この都市の、ファンも含めたサッカー人口が、競技場のキャパ(51,000人収容)とぜんぜん合ってないことは確かだろう。人口比を考えると、スタジアムの規模としては相応の大きさなんだろうけれど。

a0021929_2110511.jpg そりゃこんだけ客が少なきゃ、当然警備員もヒマ。んで、ゲームやりながら仕事してたり…

 a0021929_21104885.jpg どう考えてもこんなに必要ないだろうよ…

a0021929_2111695.jpg チケットには座席番号が書いてあるから、メインスタンド指定席であることに間違いはないのだが、座席を探していたら、警備員は「好きなとこに座りゃいいじゃん」と、投げやりな対応。確かに、入ってきたお客さんたちが、チケットを見て自分の座席を確認している様子はない。良さそうなところから適当に埋まっていく。
 ま、ガラッガラのスタンドだから、どこ座ったっていいっちゃいいんだろうけど、いかにも中国人らしい合理的な発想だよなあ。
 こりゃ、かなり相当な数の招待券をばらまくとかしないと、格好つかないなと。その大量の招待券に値段を付けて売りさばく、こすい連中も当然居るわけで(くそー)。なんか色々かの地のサッカー事情も垣間見た気がしたのだった。

a0021929_21113979.jpg 試合開始時刻1時間前を切ったところで、予定どおりにウォーミングアップを始めた選手の皆さん。雨はいっこうにやまず、カッ、ゴロゴロドーンと稲妻と雷鳴が光っては鳴り、光っては鳴り、の繰り返し。危険じゃないっすかこれ。で試合、ほんとにやるんでしょうか…

a0021929_211257.jpg 雨に煙る対面のバックスタンド。いわゆるゴール裏のサポが集うスペースで、コアサポの皆さんが気合い入れて応援中…なのだが、あまりにも雨が激しすぎて、メインスタンドからだと、いくら目をこらしてもはっきり見えない。

a0021929_21122578.jpg 岡田監督の巨大な段幕もうすぼんやり…

a0021929_21124476.jpg 一方、アウェーの江蘇舜天サポはメインスタンド後方に陣取って、熱く、かつ整然と応援中。チャントがJリーグの試合で聞いたのと同じだったり。

 集まった観客はどのくらいか…多分2,000人程度がいいところかもしれない(これはきっと、天気のせいだよね?雨さえなければもう少し入っていたはず…多分)。メインスタンド中央付近の席がやっと埋まるくらいで、あとはメインスタンド後方のアウェーの観客と、バックスタンドに陣取ったホームのサポーター。客層は十代後半から二十代くらいの、いわゆる「学生さん」という年齢層が圧倒的に多く、女子もけっこう見に来ていた。プロリーグの試合というより、大学や高校のサッカークラブの試合という感じ。市や市民あげて応援するサッカークラブというイメージにはほど遠く、仲間内で盛り上がってるだけのような雰囲気だった。翌日、市内の、バルサやマンUやブラジル代表のユニフォームがずらっと陳列されていた高級(?)スポーツショップで、「杭州緑城」のレプリカユニフォームを買おうと店員に尋ねたら、「ぷっ」と吹き出されて、「そんなのあるわけないでしょ」的なリアクションをかまされたことで、その仮説が裏付けられてしまった…いちおうブランドはナイキなんだがなあ。
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by terrarossa | 2014-03-10 21:25 | サッカー
2014年 03月 10日
2012年夏、中国のサッカーも見に行った・その1
 2012年7月14~16日、中国・杭州へ行ってきた。大陸のほうの中国へ旅行したのは、2004年のハルビン以来8年ぶり。杭州は初めて訪れた。
 ちなみにこの旅行から数ヶ月後の中国は、各都市で反日暴動が起きるなど、ちょっと物見遊山の旅行どころではないヤバイ事態になってしまったので、暑かろうとなんだろうと行っておいて良かったと、今にして思う。

 サッカーを見始める以前のおよそ10年間は、中国語圏の映画にどっぷりはまっていた。日本国内で上映される作品は、予定が合えば片っ端から見に行っていた。一般公開される作品は少なく、ほとんどが東京都内で行われる映画祭や上映会での単発上映であったため、休日の大半の時間と、働いた給料の多くが映画を見るために消費されていった。
 そうなると当然のごとくわき起こってくる、「見ると実際に行きたくなる」という衝動のままに、北京、上海、綏芬河、ハルビンと、何度か、かの国を訪れたりもした。

 そんな訳で、中国に対する関心は、休日と給料をつぎ込む対象が映画からサッカーにシフトしてしまった現在もずっと続いている。
 サッカーという視点で中国を見てみれば、近年の急速な経済発展と連動して、良くも悪くも話題に上ることが多くなっている。というか、残念なことに悪い方の話題ばかり耳にする。曰く、10年ほど前にプロリーグ(「中超」:中国スーパーリーグ)が発足したものの、汚職と八百長が横行し、不動産バブルなどで得た巨額の資金で、海外の有名選手を次々に獲得するも、質の高い試合・リーグの運営が出来る環境とはほど遠い状態である云々と。
 ネット上のさまざまな情報や、関連書籍を見る限りは、どう考えても一筋縄ではいかないような中国のプロリーグの監督に、元日本代表監督の岡田さんが就任したこともあって、実際はどんな感じなのか、試合を見てみたくなった。

 欧州と違って、中国は近い。観光抜きで試合を見て帰るだけなら、カレンダー通りの三連休でじゅうぶん事足りる。
 ということで2012年7月14日(土)、岡田監督が指揮する「杭州緑城」のリーグ戦、「杭州緑城」対「江蘇舜天」の試合を観戦した。

 14日昼過ぎ、杭州に到着。外に出た瞬間に室内へ戻りたくなるほどの湿気と熱気…気温37度、湿度90%超。むはー。
 初めて訪れる都市なのに、なんというか、「ああ、中国だなあ」と。思い込みかもしれないが、8年を経ても変わらぬ雰囲気が。
 
 試合は到着日、当日の夜。試合のチケットも確保してないし、ホテルから競技場までの交通手段も、うすぼんやりとしか調べていない。なので、空港から市内に行くためのバスチケット売り場で、切符と一緒にもらった杭州市街図は非常にありがたかった。地図さえあればどうにかなんとかなるだろう。なるよね…多分。
 北京やハルビンでも感じた、大陸的な間合いの遠さはここも同じ。道路が広い、建物がでかい、ブロック間の距離が遠い。だがしかし、この、なにもかも広くて大きいはずの空間にもかかわらず、どこへ行ってもぎっちぎちの人人人。順番守って並んでたら、いつまで経ってもそこから動けない。そりゃストレスたまってイライラしちゃうよな。中国の方々にしばしば感じる、押しの強さや抜け目なさ、自己主張の激しさは、このような密度の高い、あきらかに生存競争が激しい生活環境がそうさせた理由のひとつなんだろうと感じたのだった。
 郷に入りては、の要領で、競技場方面へ行くとおぼしき路線バスになんとか乗りこみ、最寄りバス停で降車。最寄りといってもまた、けっこうな距離を歩かなければならない。

a0021929_1583388.jpg 黄龍体育場。
 大陸的間合いおそるべし。すぐそばに見えてるのに、なんでいつまで経っても着かないんだ。

 やっとゲートにたどりつき、なんとかチケット売り場らしきものを発見。この競技場では、様々なスポーツ、コンサートなどのイベントが開催されるため(や、むしろそっちがメインなのだということは、試合観戦してよーくわかった)、チケット売場も当然の如く、人でごった返すカオスとなっていた。そして、なんとここで不覚にも、ダフ屋の策略にまんまとハマってしまった。チケット売場内にダフ屋がいるとか、さすがにそれはないだろう、と油断しきっていたが中国は甘くなかった。チケットカウンターのまん前に立ちはだかってチケットの束を持っていた兄ちゃんを販売員と勘違いして、チケットを購入してしまったのだ。メインスタンドの正規料金は90元(1,300円くらい)。チケットの座席番号を見ると、メインスタンドの中央前方という良席。で、100元札を出したら、「あー60元でいいから」とかなんとか言って、おつりを40元くれたのはいいが、後でチケットをよく確認してみると「贈票」とあるではないか。
 偽チケットでもなく、それどころかほんとにいい席で、それを定価より安い価格で手に入れられたのだから、こちらとしては全く損したわけじゃないんだが、どっから入手したのかわからない招待券=タダ券を60元で買わされたってのが悔しい。やられた。

a0021929_1592755.jpg これが「贈票(招待券)」でござい。とほほ。

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by terrarossa | 2014-03-10 02:09 | サッカー