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2005年 06月 26日
「の」はオシャレな流行文字なのか
 中国のスーパーで菓子を買ったら、パッケージの一部が日本語だったのでちょっと驚いた。日本とは関係のない、地元向けの菓子なのに、である。「午後の、楽ーしい時間に」「とてもおイしーい!」等々、微妙に外した日本語だったのはご愛敬。
 気が付けば、さりげないところで日本語が使われている最近の中国語圏。とりわけ目に付くのが平仮名の「の」。
 街を歩けば、けっこうな頻度で「の」に遭遇する。

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          北京。「鮮の毎日」というペットボトル入りの清涼飲料水がたくさん売られていた。


a0021929_4234994.jpga0021929_4242611.jpg 台湾ではもっと頻繁に「の」を目撃した。ビリヤードクラブの看板、喫茶店の看板……
ついでながら、香港には「優の良品」という乾物屋系菓子店がある。



 とにかく、日本人を対象としたものではないようなところでも、「の」は、普通に使われている。
 たしかに、「の」は、助詞としてそのまま中国語の「的」または「之」と置き換えることが可能だ。特に「的」は字を崩すと「の」に見えなくもない。文法的にも、あまり違和感なく使うことができる。「の」という文字を使っていても、発音は「no」ではなく、「de」や「zhi」なのだろう。
 そして何よりも、角張った文字の多い漢字に混じると、シンプルで丸い形の「の」という文字は、圧倒的に目立つ。視覚効果ばつぐんである。自分は、これが「の」導入の一番の理由なのではないかと思っている。ちなみに、あちらの「の」は、日本の「の」よりも、より丸っぽい形のものが多いようだ。

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 雑誌を見れば、漢字にまじって平仮名の「の」のフォントが目に入ってくる。手書き文字でなく、ちゃんと中国語としての「の」というフォントが存在しているのだ。









 今のところ「の」に関しては、オシャレな流行文字扱いのようだ。当然、辞書にも記載されていない。ということは、中国語に投げ込まれた異物のような「の」を見るにつけ、「最近の言葉の乱れは嘆かわしい限りだ」と苦々しく思っているあちらの人も、たくさんいるに違いない。
 言葉は生き物というけれど、果たして中国語圏における「の」は、一時の流行なのだろうか?それとも中国語として定着していくのだろうか?
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by terrarossa | 2005-06-26 05:12 | 見聞録