カテゴリ:いきもの( 37 )
2006年 08月 11日
いたいところ
           ↓キュウリの表面写真。なにやらシュールな光景である。
a0021929_19254394.jpg
 キュウリのボコボコは「いぼ」と呼ばれ、てっぺんに半透明の突起がくっついている。この部分がいわゆる「トゲ」で、これがあるからキュウリはさわると痛い。
 ところがこのトゲは非常にデリケートで、触ったり乾燥したりすることで容易に脱落してしまう。だから収穫後、袋や箱に入れてあちこち移動したり、日数が経ってしまったキュウリは痛くない。収穫したてのキュウリの不快なちくちくも、新鮮な証と思えば「貴重な感触」なのかもしれない。

 ちなみに現在、日本国内で出回っているキュウリのほとんどは写真のような半透明のトゲを持つ品種だが、このトゲが黒や茶色であったり、トゲ自体まったく無い品種もある。世界は広い。
[PR]
by terrarossa | 2006-08-11 19:27 | いきもの | Comments(2)
2006年 08月 10日
上に向かう性質
 多くの虫が、「上に向かう性質」を持っているらしい。
 捕虫網でもコップでもポリ袋でも、虫を捕まえたら、開口部を下に向けるとうまくいく。
 
 学生の頃、ライトトラップといって、夜、野外に白い布を張り、そこへ蛍光灯とブラックライトをつけて、飛んでくるガを捕獲するということを何度かやった。短い試験管のような細い瓶を持って布の前で待ちかまえ、目当てのガがとまった瞬間、上から瓶をかぶせていくのである。そんなに難しいテクニックは必要ない。瓶の口が開いていても、それが下になっていれば、上(ふさがっている天井)にのぼっていく性質を持っているからだ。
 ガでは粉っぽいので検証したくないという方も、テントウムシだったら比較的抵抗感はないかもしれない。手にとまらせたテントウムシも、指を上に向けるとかならずそこをのぼっていって、てっぺんから飛び立っていく(ただし、単に「上に向かう」というだけでなく、光のある方に向かう性質を持つ虫も多い。また、それとは逆に、暗い方へ向かっていく虫もいる)。こちらのほうは試された方も多いのではないかと思う。
 
 ところで先日、大きなクロゴキブリが目の前の壁を横切ったので大いに衝撃を受けた。が、ふと「ゴキブリだって上をめざすのかも」と思い、ヤツが壁に静止した瞬間、紙コップをかぶせてみた。案の定、ゴキブリは上からかぶせた紙コップを「のぼって」いき、3秒後、壁と紙コップの間に古葉書を挟んで、見事捕獲に成功。だがこれは、もっとも試したくない究極の事例だろう。つぶしてぐちゃっとなると後始末が大変だなあということでやってみたのだが……決してオススメはしません。
a0021929_0213360.jpg
                カエルも上をめざしていた。キュウリ畑にて。
[PR]
by terrarossa | 2006-08-10 00:40 | いきもの | Comments(2)
2006年 08月 04日
そりかえる
a0021929_21532660.jpg
 決死のポーズをきめてるシロシャチホコ幼虫。その様子もさることながら、イモムシのくせに前部の足四本が妙に細長かったりするあたり、実に個性溢れるヤツである(その割に成虫は地味な白い蛾だったりする)。
 シャチホコガ科の幼虫は、このように、頭部と尾部をくっつけて威嚇のポーズをとる。「シャチホコガ」という名の由来は、幼虫がとるこの奇妙な格好が、しゃちほこに似ているというところから来ている。だが、今どきの表現を用いるならば、まさにイナバウアー!
 見ているほうは楽しいことこの上ないが、お食事を妨害された上に、数分間にもわたる硬直状態を余儀なくされて緊張とストレスてんこ盛りになってしまったシロシャチホコ君は、さぞかし気分を害されたことであろう。ごめんよ。
[PR]
by terrarossa | 2006-08-04 22:14 | いきもの | Comments(2)
2006年 07月 11日
一枚一頭
a0021929_19214584.jpg
カエルだらけのメロンの葉。餌待ち待機中。
春に孵ったおたまじゃくしがここまで育ったかー(しみじみ)。

a0021929_19264078.jpg
お肌しっとり。
[PR]
by terrarossa | 2006-07-11 19:32 | いきもの | Comments(2)
2006年 06月 27日
アカツメクサにも!
「四つ葉のクローバー」があるのはシロツメクサだけかと思っていたが、アカツメクサにも「四つ葉」があった!

a0021929_2211191.jpg
↑これが現物。毛深くて大柄な「四つ葉のクローバー」である。
なお、アカツメクサも夜には葉を閉じて「眠って」おりやした。
[PR]
by terrarossa | 2006-06-27 22:15 | いきもの | Comments(2)
2006年 05月 24日
シロツメクサ睡眠中
この季節になると、路傍でよく目にするシロツメクサ(シロクローバー)。
四つ葉が発見できればラッキーなどと思いつつ、気付いたら一時間以上も長居して、10分しかかからない下校時間に一時間半もついやしてしまった小学生時代がよみがえる。そして25分の下校時間に二時間もかかった中学生時代、15分の下校時間に一時間半も(きりがないので以下省略)。

これがおなじみの昼間のすがた。
a0021929_1243427.jpg










わざわざ夜にシロツメクサを見に行く方はあんまりいないと思われるので
夜間潜入取材を敢行し、おやすみのもようを激写(←古い表現だな)。
a0021929_12432963.jpg


おお、葉を閉じている。
やはり夜は、彼らも眠っていることが判明。







a0021929_12435545.jpga0021929_12441031.jpg









葉を閉じて「眠る」のは、近縁のネムノキ(かつてはシロツメクサと同じマメ科に分類されていたが、現在はマメ科から独立して、ネムノキ科とされている)が有名だが、シロツメクサも日夜、同じような活動をしているのだな。
なお、シロツメクサは、日中でも光が強すぎるような時は、受ける光量を調整するべく、半閉じになることもある。
[PR]
by terrarossa | 2006-05-24 12:55 | いきもの | Comments(3)
2005年 09月 10日
生存確認
なんとか生きております。

a0021929_2462665.jpg
職場の窓から、ツノアオカメムシご来訪。事務机の端にて、触角のお手入れに余念がない模様。
体長2㎝をこえる、メタリックグリーンの大型ボディはなかなか迫力があります。これぞカメムシ!という感じで。
[PR]
by terrarossa | 2005-09-10 02:59 | いきもの | Comments(0)
2005年 08月 09日
夜明けのヒグラシ
 夏らしく、暑い毎日が続いている。セミの鳴き声で暑さも二倍増しだ。
 今住んでいるところはクマゼミの分布地域ではないので、昼間の主役はもっぱらアブラゼミで、時々それにミンミンゼミが加わる。盆を過ぎればツクツクボウシも鳴き始めるだろう。
 ということで、昼間はたいそうにぎやかに何種ものセミが登場するのだが、夕刻、薄暗くなると思い出したように「カナカナカナ」と鳴くやつがいる。ヒグラシである。黄昏によく響くその鳴き声からは、なぜだかひどく物寂しい雰囲気が漂ってくる。おそろしく強烈に「ああ、今日も一日が終わるのだ」と思わせる何かを持っている。効果音に使えばそれだけでばっちりというくらい、ヒグラシといえば「夕暮れ」のイメージだ。
 ところがそれは誤りで、彼らは夕方だけでなく、早朝にも鳴く。要は、薄暗きゃ鳴くってことか。あらためて図鑑を見たら、「夕刻または早朝に鳴く」とちゃんと書いてあったのだが、現在の住まい(家のすぐ前に木が生い茂っている)に引っ越して、初めて気付いたことだった。
 おかげさまというか、ここんとこ最近は、ヒグラシの鳴き声が目覚まし代わり。日が昇れば彼らはなりを潜め、アブラゼミがそれに取って代わる。どうも彼らにとっては時刻よりも「薄暗い」ということが重要のようだ。

そんなわけで、どうにもこうにも朝っぱらからもの寂しい、夕方気分の夏の日々なのである。

a0021929_23361242.jpg大阪で拾ったクマゼミの死骸。








 セミは、成虫が2週間程度の命なので、儚いなあと思っている人も多いみたいだが、幼虫の期間に土の中で何年も過ごしている、非常に寿命の長い昆虫なのである。ちなみに分類的には、「半翅目」という種類で、カメムシやアブラムシとお仲間だったりする。イメージって当てにならないもんだよなー。
[PR]
by terrarossa | 2005-08-09 23:40 | いきもの | Comments(0)
2005年 07月 16日
棘とか粉とか毛とか
 現在、一般に出回っているキュウリは、表面に光沢のあるものがほとんどである。実は本来、キュウリの果実は白い粉で覆われていて、つやがないものだと知る人は、今はどのくらいいるのだろうか。
 
 キュウリは、根から病気が入らないよう、病気に強いカボチャに接ぎ木して栽培していることが多い。つまり、地下部(根)はカボチャで、地上部はキュウリという訳。
 接ぎ木に使うカボチャは、もちろん台木専用の品種なのだが、今から25年ほど前に、接ぎ木するとキュウリが白い粉を吹かず、表面がぴかぴかになるカボチャの品種があることがわかった。
 キュウリの白い粉は、根が土壌中のケイ酸カルシウムを吸収することによって発生する。ところが、このカボチャは、ケイ酸カルシウムをほとんど吸収しない性質を持っており、キュウリの台木として用いると、キュウリ果実の表面に粉は発生しない。
 このキュウリは、「ブルームレスキュウリ」と呼ばれ、見た目が美しく、商品価値が高いということで、あっという間に普及して、今に至っている。
 おかげで今は、キュウリの果実はつやつや、というイメージが定着してしまったようである。そればかりか、たまに見かける本来のキュウリに対して、その白い粉を、付着した農薬だと誤解する人までいる始末(ブドウや柿も白い粉を吹くが、それすらも農薬と勘違いされることがあるらしい。このまちがった過剰反応、何とかならないもんだろうか!)。全くもって、トホホな事態だ。
 ブルームレスキュウリは、確かに見栄えはいいのだが、それ以外に、あまりいいことはない。まず食味。皮だけが硬くて果肉は軟らかくなり、食感が良くない。この点については、好き嫌いもあるだろうから断定はできないが、漬け物には向かないということで、漬物業界にはまったく人気がないそうだ。
 栽培する側にとっての問題は、キュウリの葉や茎をおかす病気、うどんこ病にかかりやすくなってしまうという点である。うどんこ病菌は、地上から植物体に侵入するが、植物体を保護する機能をもつケイ酸カルシウムは、この病原菌の感染を物理的に防ぐ効果があるらしい。ケイ酸カルシウムを体内に取り込まないブルームレスキュウリは、いわば裸のまま病原菌の胞子がうようよいる所にさらされているようなものだ。
 幸いと言うべきか、最近は、本来の「粉あり」キュウリも見直されてきて、ふたたびぼちぼち市場に出回っているようである。個人的には、だからブルームレスキュウリは駄目だ、ということではなく、消費者がどちらでも自由に選択できるような環境になればいいなと思っている。ごく最近の動きとしては、ブルームレス用の台木に接ぎ木しても、うどんこ病に強いキュウリの品種も登場しているから、これからまた状況は変わっていくのかもしれない。
 
 植物には、外敵や、もしくは生育に都合の良くない環境から物理的に身を守るための機能がそなわっている。バラやサボテンの鋭いとげや、栗のイガなんかがわかりやすい例だろうか。
そこまで大きくて具体的なものならば、これはその植物体全体を食べようとする者(おもに動物)への対抗策になるだろうが、実は、「キュウリの粉」と「うどんこ病」というようなミクロの世界においても、激しい攻防戦が繰り広げられているのだ。
 
蛇足ながら。
a0021929_18423350.jpg若いトマトも粉を吹く。ストロボ撮影してみると、あやしくも美しいきらめきの世界が。











a0021929_18352733.jpg品種によっては、激しく毛深いものもある。これは中玉トマト。ちなみに食味は極上。









a0021929_183666.jpg拡大図。
こすれたり洗ったりすると脱落してしまうので、新鮮でないとわからないかもしれない。
[PR]
by terrarossa | 2005-07-16 18:48 | いきもの | Comments(0)
2004年 10月 13日
黒椿とヤマナメクジ
 ある時、京都府の日本海側に位置する加悦町(かやちょう)というところに「滝の黒椿」という樹齢1000年を超える椿の巨木があるということを知り、見に行きたくなった。当時、時間はあったが金がなかったので、友人と共に普通列車と路線バスを使い、12時間ほどかけて彼の地に降り立った。ところが、黒椿がある地区は、だいぶ以前に廃村になっており、当然路線バスなど通っているはずもなかった。ということで、霧雨でじっとり濡れながら山あいの道を2時間ほど歩く羽目になった。
 やがて、うち捨てられ、崩れかけた廃屋が点在する集落跡が見えてきた。草はぼうぼうで、木々が道に覆い被さるように茂っている。ただでさえ薄暗いのに雨が降っていて、いっそう不気味な雰囲気だった。椿は、そんな緑に埋もれるようにして、山の斜面にひっそりと立っていた。近づくと、つややかな濃緑色の葉の合間に、小さめの臙脂色の花がぽつぽつ咲いているのが見えた。
 確かに見事な巨木だったけれど、何せ周囲の緑が濃いのと雨で薄暗かったので、ほんとうに埋もれるように、忘れ去られたように、寂しくそこにあったのが印象的だった。一方で、そんな佇まいがこの木にはとても相応しいように感じたのだった(今は、木の周囲はきれいに整備されているようなので、うら寂しい雰囲気はあまり感じられないかもしれない)。

 さて、椿を見終えて来た道を戻ることにした。いつの間にか雨は上がり、雲の切れ間から時折日が差すようになってきた。雨上がりの山道を、はやくも翅が乾いたチョウが飛び交う。道の脇にはだいぶん水かさを増したと思われる小川が流れている。と、ここで信じられないものを目撃した。
a0021929_2304281.jpg
 
 およそ都市部では見かけることのない、直径3㎝、長さ15㎝の巨大ナメクジだった(写真)。一緒に写っているのは同行した友人の手である。
 知ってる人からしたら「何をこの程度のことで」と言われるようなことかもしれないが、この時は大真面目に「生きていると、色々なものに出会うのだなあ」などと感慨にふけったのだった。
 ツノが体の大きさに比してやけに小さく見えるのが何だかとても可愛らしい。ようはツノだけ標準サイズなのだ。指で押すと、体は弾力に満ちあふれていて、むっちむちである。
 やがてそいつは水べりをのたーっと移動し始めた。が、目測を誤ったのか、ぽちゃんと水に落っこちて、渦巻く水の中、くるくる回転しながら流れ去ってしまった。わずか10分間の邂逅であった。
 この、京都の山中で目撃した巨大ナメクジは「ヤマナメクジ」という名で、その名の通り、山の中で落ち葉などを食糧としている種類なんだそうだ。人目につかないところに生息しているだけで、そんなに珍しい種類ではないらしい。こうして目撃できたのも、雨が降っていたせいだろう。
 どうかこれからも山奥でひっそりと暮らしていてほしいものである。
 もしこんなのが人里にうじゃうじゃいて、集団で生ごみをあさっていたりしたら、ただじゃすまないだろうからな。

 長い時間をかけて美しい椿を見に行ったつもりが、帰ってきてみれば、ヤマナメクジとの衝撃的な出会いのことで頭がいっぱい、という顛末。なんだかなあ。
[PR]
by terrarossa | 2004-10-13 02:46 | いきもの | Comments(2)