2004年 08月 06日
ユジノサハリンスクからポロナイスクへ その4
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 ユジノサハリンスク駅前には、旧共産圏らしく、無用なまでに広い、これぞまさに「広場」と言うようなスペースがある。一応舗装はされているのだが、元々雑なのか、それとも傷んだのを修理していないのか、とにかく均平でないために水たまりが至る所にできている。さらに、水たまりにはどこからか運ばれてきた泥や砂やゴミが堆積し、そこへ人と車が往来することによって、見事なぬかるみが完成。ただ、隣接の公園はきれいに整備されていたので、広場の惨状も徐々に改善されていくことになるだろう(ちなみに春、雪解け時の街は相当悲惨な状況だそうだ)。
 ほどほどに泥はねを気にしつつ、だだっ広い広場を縦断し、駅舎に入る。薄暗い待合室を囲むようにキヨスクが並ぶ。客は商品に近づくことも、触れることもできない。買いたい物があれば、ガラスの内側にびっしり貼り付けられた商品見本を指さして、腕一本入るかどうかというくらいの小さな窓口から現金と引き替えに商品を受け取るということになる。映画のチケット売り場のような感じだ。この方式は駅に限らず、町なかの売店でも同様。恐らく防犯上の理由だと思う。
 さて、駅に入ったものの、改札口と呼べるようなものはない。ホームの案内もない。ポロナイスクへ向かう長距離列車は一体どこに?
 待合室を抜けると、低い「ホーム」らしきものがあったが、その先は線路だった。客車や貨物列車があちこちに停車している。ホームがないので先頭が揃っておらず、すばらしくランダムな配置だ。間違って列車に轢かれる恐怖を感じつつ、線路をまたいで列車を探す。線路も実際歩いてみるとずいぶん高さがあって、何本もまたぎながら歩くのは結構しんどい。やっとのことでそれらしき車両にたどりつくと、乗車口に人がいたので(多分、乗務員)会話集指さし方式で訊いてみたら、この列車だという。やれやれ。
 車両は旧ソ連製とおぼしき大味(?)なつくりで、乗車した二等車は4名1室のコンパートメント形式。列車は昼間運行だが、車室は両側二段ベッドの寝台車だった。車両が大きいため、かなりゆったりとしている。なにせ9時間近く乗る予定なので、これは有り難かった。
 同室になったのは、50歳と16歳の父子。こちらはロシア語ができず、向こうは日本語も英語も全くできない。それでも彼らは、滅多に見かけることの無いであろう変な日本人観光客にそれなりの関心を持ったようだった。
 頼みの綱は「ロシア語会話集」のみ。指さし方式でどこまで通用するのだろうか。
 乗車して間もなく昼食の時間となった。この列車には食堂車は連結されておらず、車内販売も来ない。乗車前に駅前で購入したピロシキをとり出す。車両にはサモワール(湯沸かし)があり、お湯には不自由しない。ロシアの長距離列車には必ずついているのだという。同室の彼らも持参した弁当を広げる。チーズとサラミ、そしてなんとイクラのサンドイッチだった。(心の中で「オホーツクサンドイッチ」と命名)。ありそうで無い斬新な組み合わせに「写真を撮っていいか」と尋ねると、<父ちゃん>は不思議そうな笑みを浮かべつつ「いいよ」と言ってくれた。
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by terrarossa | 2004-08-06 02:25 | 見聞録


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