2008年 12月 03日
採る人もなく
a0021929_274531.jpg すでに一度雪が積もって溶けて、冬はすぐそこまで来ているというのに、すっかり熟してしまった柿が、収穫されずそのままになっているところがあまりにも多い。たぶん樹上に果実をぶら下げたまま、じき根雪に埋もれてしまうことだろう。
 寒冷地の柿は大半が渋柿で、渋抜きをしたり干し柿にしたり一手間かけないと食べることができない。かつて甘いものが高価で手に入りにくかった時代は、干し柿は貴重な冬の保存食として欠かせないものだったろうけれど、今はすっかり消費量が減ってしまった。
 けれど、食べなくなったから採らなくなった、ということだけが理由ではない。手入れして収穫し、加工する人がいないからそのまま置かれているのだ。農村部の住人は確実に減っている。誰も住んでいない家が増えていく。高齢者だけになって、収穫したくてもできなくなる。寂れた地区ほど、枝が折れそうになるくらい実を付けたままの柿でいっぱいだ。
 この豊富で栄養たっぷりな食糧を狙って、普段は山にいるクマが里に下りてくる。サルが居着いてしまう。野生動物に里と山の棲み分けをしてもらうためには、人が作物をきっちり収穫するということがとても重要なのに、それができない。

 もったいないなあ、などとのんきに思っているようなレベルじゃないのかもしれない。なんだか果実の一つ一つが警告信号のように見えてくる。
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by terrarossa | 2008-12-03 02:10 | 見聞録 | Comments(2)
Commented by eastwind-335 at 2008-12-08 11:33
冬眠するための動物が里へ下りてくる、サルがイタズラをする・・・青森でしたっけ、過疎で若い人が減り、サルは増えても対処できない村落が増えていると読みました。
東京でも実がなる木を庭に植える方がいますが、それを収穫しないでいるために、カラスが増えています。ゴミだけが理由じゃなさそうです。
私の職場も緑が多く(実のなる木はほとんどないけれど)、巣作りに最適な環境のようです。そのために大型カラスが目前を横切るなんてこともしばしばです。
Commented by terrarossa at 2008-12-13 00:37
カラスとスズメとハトは日本国内に限らず、人が住んでいるところだったらどこにでもいますよね。身近なので親近感をおぼえたりすることもありますが、そこは野生動物、したたかなやつらです。弱肉強食の世界では敵対関係が基本なんでしょうけど、動物としては異色の存在となってしまった人間としては、なんとか彼らと上手く共存できないものかと思うのです。


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