2008年 10月 16日
ドイツのサッカーを見に行く その七:ドイツ鉄道三昧(結果的に)
 前記事で長々と紹介したように、いかにも完璧をきわめていそうなドイツ鉄道のシステムだが、実は決定的な落とし穴がある。思い出したように突然起こる、列車の運休・遅れだ。常に信用ならない状態なら、どうせこんなもんよ、という気になるが、普段はけっこう時刻表通りに発着してるくせに、なんの前触れもなく、いきなりこういう事態が発生するから余計始末が悪い。こんなところで、どんだけすごいんだ日本の鉄道!と深く深ーく実感することになろうとは。
 
 今回は旅行最終日の前日、よりにもよってレバークーゼンからミュンヘンという最も長い距離を移動する時に「突然の運休」という事態が発生してしまった。前日の試合の興奮も冷めやらず、朝も暗い内から早起きしてレバークーゼンからミュンヘンを目指したというのに。ケルンメッセ駅で乗る予定だったICE、最初は「15分遅れ」などという表示が出ていたのでまあ仕方ないかなと思って待っていたのに、さんざん待たせた挙げ句にいきなり「やっぱ今日は運休しまーす」ってなんなんだよゴルァ。あんまりな仕打ちじゃないっすかあドイツ鉄道さん。それまで各路線をがんがん乗り倒してきたにもかかわらず、ほぼ時刻表通りだったのでさすがだなと思っていただけに、腹立たしさ倍増。折悪しくその日は土曜日で、大幅に遅れてやっとこさミュンヘンに着いてみれば、行くつもりだった店はすべて営業時間が終了しており、かなり壮大なスケールの無駄足を踏んでしまったのだった。
 や、そもそもレバークーゼン→ミュンヘン→ヴィースバーデン、というルートを日帰りで行こうなどと画策したこと自体が無謀だったわけだが。

a0021929_2344389.jpgドタキャンをくらい、「とにかくケルン中央駅へ行け」と言われて向かったホーム。ケルンメッセ駅で早くも日の出かよー。あーあ。

 すっかり意気消沈でミュンヘンから乗車したICEは、どこから来たのかどこへ行くのか(自分もそのうちのひとりだ)、大荷物を持った人たちでぎっちぎちに混んでおり、くつろぐ余裕まったくなし。
 その車中で、夕方六時すぎに車掌のアナウンスがあった。日本でもおなじみのダミ声系生音声で、録音アナウンスの補足(乗換駅とか、時刻とか)をするのかと思っていたら、なんと「本日のブンデスリーガ試合結果速報」の実況。土曜日の試合は15:30キックオフだから、ちょうど各会場での試合がすっかり終わった時刻である。対戦カードと結果が伝えられるごとに小さなざわめきが起きる。粋な計らいである。この時刻の実況が毎度のお約束なのか、それともたまたまサッカー好きの車掌さんだったからかどうかはわからないが、やはりドイツはサッカーの国なのだとしみじみ思う。

 さて、この日のビッグマッチはアリアンツ・アレナでのバイエルン対ブレーメンだったが、この試合の結果が読み上げられると、車内中から非常に大きなどよめきが起こった。これは何かあったにちがいないと思ったが、なにぶんダミ声ドイツ語だったので数字までは聞き取れず。で、滞在先に戻ってびっくり。バイエルン・ミュンヘンの歴史的敗退事件が起きていたのだ。2-5って……なにこれ、野球の試合ですか。
 その夜のスポーツニュースやスポーツショーは言わずもがな、翌日午前中のサッカー関連の公開討論番組(こんな生番組があるんだドイツ……)では、話題がすべてこの「歴史的敗退」についてで、夕刻になっても失点シーンの数々が繰り返し繰り返しスロー再生される始末。バイエルンの得点場面はたいへんおざなりな扱いで、古巣から2得点も上げたボロウスキ選手については、タイミングが悪すぎたよね、となぐさめの言葉をかけてあげたくなった。とにかく、ファンにしてみれば「もういいから、わかったから」と、うんざりするようなマスコミの騒ぎっぷりであった。クリンスマン体制に一新してからこれまでいまひとつだったのは事実だけど、たしか彼がドイツ代表を率いていたときも、結果が出せたのは最後の最後で、ずっと批判され続けていたんじゃなかったか。いまは我慢の時だと見守るしかない。でも、気長に待ってられないのが現代プロフットボール業界なんだよなあ。こういうとき、ビッグクラブは辛いのである。

 ところで鉄道の話に戻るが、これだけ大規模な鉄道網の敷かれているドイツだから、「あの人たち」がいない訳はない。らしき人々を実際に目撃することはなかったが、サッカー雑誌を買うために、各地各駅の雑誌スタンドをくまなく回っているうちに気付く。さほど大きくない規模の店であっても、鉄道関連の雑誌コーナーが膨大なスペースをとっていることに。旅客車系、貨物系、模型系……各ジャンルが網羅され、一体何誌あるのだろうかという充実ぶり。
 ドイツ鉄ヲタ、すげーいるんだ……やっぱり。

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ヴィースバーデン中央駅。ドイツが誇る高速鉄道、ICE(右)と近郊電車のSバーン(左)。高速化するほど形状が虫っぽくなるのは日本と同じか。
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by terrarossa | 2008-10-16 02:40 | サッカー | Comments(0)


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