2008年 10月 03日
ドイツのサッカーを見に行く その一:2部リーグの試合
 突然フットボール=サッカーの世界にはまって二年あまり。先日とうとう思いあまってドイツまでサッカーの試合を見に行ってしまった。すごかった。良かった。いろんな意味で、百聞は一見にしかずだと実感した。

 ドイツ語は全く出来ない。それどころか英語もうっすらという、甚だ貧弱な語学スキルしかないので、思い立った時点では、果たして試合観戦が実現するのかどうかもわからなかった。しかしここ二年、ジャーマンフットボールへの情熱だけはターボ全開状態。妙なテンションで二度目のドイツ行きを決めてしまった。

 今回は、フランクフルト近郊にあるヴィースバーデンという町に10日間滞在した。この町には、レギオナルリーガ(3部)からツヴァイテリーガ(2部)に昇格して2シーズン目を迎えた、SVヴェーエン・ヴィースバーデンというチームがある。ちょうどドイツに到着した翌々日にホームで試合があるということなので、当日スタジアムに足を運んでみることにした。

 さて、キックオフ1時間半前。ヴィースバーデン中央駅にはそれらしきユニフォームやグッズを身につけた人々が。といっても、試合日の浦和美園駅という感じではぜんぜんない。なんというか、ゆるい。ただならぬ気合に満ちあふれていたのは、アウェーへ乗り込んできた本日の対戦相手、1.FCニュルンベルクのコアなサポーターと思われる方々だった。とにかく、ゆるいホームサポも気合満々のアウェーサポも、駅から出ている臨時バスに一緒くたにぎゅう詰めになってスタジアムへGO!……と意気込んでみるも、あっさり到着。スタジアムは、駅から歩いて10分ほどの距離にあったのだった。
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スタジアム外。ぴかぴかの看板。

 当日券売場はすぐに見つかった。が、チケットカウンターは当然ドイツ仕様。こちらは日本人としても非常に小柄な部類の身長なので、背伸びしても顎が乗らないほどテーブルの位置が高い。係員からは、おそらく額と眉毛しか見えていなかったろう。
 さあどうしようと焦っていたら、係員のにいちゃんは顎を突き出してカウンターの下をちらっと見やり、明らかに場違いな雰囲気の東洋人の存在を認めると、少々だるそうに「これでいっすね?」てな感じでチケットを1枚かざしてきた。特にリクエストしない限りは、ホーム側のバックスタンドに席割りされるようだ。言われるままに金を払い、チケットを受け取る。23ユーロなり。
 SVヴェーエンの新たなホームスタジアム、BRITA ARENAは、昨年完成したばかりだというサッカー専用スタジアムだった。収容人数13,500人のこぢんまりした施設なので、とにかくピッチが近い。入場前はゆるい感じだと思っていたホームのサポーターも、ゴール裏にびっちりひしめく面々はさすがに熱い。しかしもっと熱かったのは、アウェー席のニュルンベルクサポーター。試合前から、声でけー、気合入ってんなあと思ったのだが、試合中ふとそちらを見ると、キックオフ時よりも肌色になっている。既に上着が必要な気候だというのに、ゴール裏の大半が、いつの間にか上半身裸になっていたのだった。なんか煙上がってるし……(持ち込み厳禁の発煙筒だよオイ)
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BRITA ARENA、キックオフ20分前。

 とにかく、ドイツサッカー初観戦なんである。ニュルンベルクは昨シーズンまで1部にいたチームなので、2部に昇格して年数の浅いヴェーエンにとっては、たいへん手強い相手だ。しかしこちらはホーム、強豪相手に一歩も譲らず、がんがん走り、がっつんがっつん当たりにいっている。スピードが速く、パワフルなので、自分のような全くのシロートが見ても、すごく面白い。
 試合は、今期ヴェーエンに加入した、モンテネグロ出身のSanibal Orahovac選手(彼はかつてレッドスター・ベオグラードに在籍し、名古屋で行われたドラガン・ストイコビッチの引退記念試合にも出場しているとのこと)が前半のうちに鮮やかな2ゴールを決め、このまま勝利かと思われる展開だった。
 だが後半、形勢は逆転する。アウェーとはいえ、格下チームに対しこのままでは終われないニュルンベルクが猛然と反撃を開始する。あっという間に1点。その後ヴェーエンはなんとか持ちこたえるも、後半終了5分前、焦ったヴェーエンの守備陣は、ペナルティーエリア内でニュルンベルクの選手を倒してしまう。絶体絶命のPK献上。
 ここで立ちはだかったのが、若手ゴールキーパーのAlexander Walke。強烈なPKをはじき、こぼれたボールにすかさず反応した相手のシュートも見事に止める。スタンドは熱狂の嵐。止めた本人も、俺はやったぜ!と拳を振り上げ勝利の雄叫びを上げる(スタンドまでちゃんと聞こえた)。これで勝って終わりかと思いましたよほんとに。マンオブザマッチはこれで決まり、明日の地元紙の見出しも決まり、と。
 が、こんなことであきらめたりしないのがニュルンベルクだった。ロスタイムも3分が経過、ヴェーエン側がいよいよ勝利を確信していたその時、Angelos Charisteas選手のミドルシュートが、もしかしたら浮かれてちょっと油断しちゃってたかもしれないゴールへどーん。ほぼ同時に試合終了のホイッスル。
 いや負けたわけじゃなくてドローなんだが、ほんとにもう、気の毒なくらいの打ちひしがれっぷりだったよ……特にゴールキーパーのWalke選手。仰向けに倒れたまま、しばらく動かなかった。多くの選手たちがピッチに膝をつき、倒れこみ、顔を覆う。観客も、まるで負けたみたいながっかりどんより状態で引き上げていく。対してニュルンベルクサポーターの狂乱ぶりといったらそれはもう。
 あーあ。負けたんじゃないんだけどさ、こんな幕切れってないよなあ……と、いつの間にいちげんさんからすっかりヴェーエンのファンになってしまった自分であった。
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がっかりどんより、帰路につくヴェーエンサポーターのみなさん。
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by terrarossa | 2008-10-03 23:13 | サッカー


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