2005年 05月 29日
甘い人生(2005、韓国)
 個人的には、ファン・ジョンミンがげろげろの悪役を演じるということで、大いに期待していた映画。
 やー、久々の荒唐無稽な(失礼)ノワール映画だった!ファン・ジョンミンは、同情のかけらすら抱くことができないようなイヤーーな役をディティールに凝りまくって、喜々として演じていた(ように見えた)し、曲者揃いの役者がいっぱい出てきて、大いに楽しめた。
 たしか日本ではイ・ビョンホンとシン・ミナの「恋愛」を前面に強調して宣伝していたはずだが……そりゃないだろう。即刻「JARO」に通報ものだ。コーヒーゼリーを食し、コーヒーに砂糖を入れて飲む、どうやら甘党らしいキム・ソヌ(イ・ビョンホン)くらいか、甘かったのは。
 映画を見ている内に、以前、憑かれたように見まくっていた香港ノワール映画の数々が甦ってきた。通奏低音は「男たちの挽歌」シリーズ。SHINHWAのエリックは「上海グランド」の、肝心なところでおいしいところをさらっていくチョン・ウソンみたいだったし、ラストシーンは「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」のようなシメだ。思わず「ありえねー」とつぶやかずにはいられなかった不死身のイ・ビョンホンは、そのまんまチョウ・ユンファが演じてきたキャラクターに直結する。つまり、ついうっかり「彼の人生とは?」とか「彼の胸の内に去来する感情は?」などという内面のところを真剣に考えたりすると失敗する、そういう種類の映画のような気がする。ただただ、血みどろになってもスタイリッシュでかっこいいイ・ビョンホンを堪能すればいい。
 いわば21世紀版韓国ノワールともいえる「甘い人生」だが、かつての香港のそれらと違ってまったく湿気がない。クールでドライ。イ・ビョンホン演じるキム・ソヌもそのような人物として描かれており、やすやすと感情移入させてはくれない。かつてのやくざものにあったような、「熱い友情」を交わす友の存在もない。そういうキャラクターが最初から最後までピンで物語を引っ張って行かなくてはいけないのだ。そこがなにか、薄さとか物足りなさを感じる一因なのかもしれない。
 過剰な暴力という衣をまといつつも、さくさくと物語が展開していくだけに、最後の社長との対峙シーンがひどく濃密に感じられた。クールビューティー(!)なキム・ソヌが、唯一感情を吐露する場面だ。あれこそ究極のラブシーンだと思うんだけどなあ。
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  偶然、たて続けに「コンスタンティン」と「甘い人生」を見てしまったのでこんな結果に……イ・ビョンホンのファンの皆様ごめんなさい。やっぱり似顔絵は難しいです。

 共通点は黒スーツにブラックタイだけかと思っていたら、ほかにも色々あるかも、と感じている次第。
キアヌ・リーブス演じるジョン・コンスタンティンも、なに考えてるかわかんない、表情に乏しいキャラクターだし(キアヌ自身がそういう雰囲気の俳優なのでなおさらか)、原作が漫画のトンデモ話で、内面うんぬんという映画じゃないし。同じにおいを感じているのは自分だけか?
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by terrarossa | 2005-05-29 06:21 | 映画


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