2010年 12月 18日
明るい日本(物理的に)
 今年のドイツ旅行中に滞在した「貸家」では快適に過ごすことができたが、ただひとつ困ったことがあった。
 照明が暗いのである。
「私は明るい照明がキライ」と言う家主さんの家は、リビングにも寝室にも、天井の照明が設置されていなかった。だだ広いリビングにあったのは、机上のスタンドと、ソファ脇の読書灯、階段を照らす薄暗いスポットライトのみ。夜になると足元は真っ暗で、最初の内は何かにつまずきやしないかと、おっかなびっくり忍び足で歩かねばならなかった。そして、これまた広い寝室にはベッド脇の電気スタンド30ワットのみ。とっぷり日が暮れた後は、運び上げたスーツケースの荷解きも整理も暗すぎてよく見えず、ドイツに来てまずやったことは、電気屋を探して60ワットの電球を買うことだった。
 ベッドスタンドの電球を、使用可能上限値の60ワットにこそっと付け替えて、なんとか部屋全体がおぼろげに見えるようにはなったが、細かい文字を読むにはまだ暗い。だが幸いというか、クローク(物置)はまともに天井の照明があって明るかった。ということで、家主さんの服や靴や鞄に埋もれながら本や雑誌を読んだりしていたのだった。ドイツで一体何してたんだ自分。

a0021929_9122012.jpg ここまで極端なケースは希だったとしても、おしなべて欧州の夜は暗い。というか、日本が明るすぎるんだろうな。ずっと以前、世界的には「橙色の夜」が標準で、白色の灯が圧倒的に多い日本の方が特異的なのかもしれない、という記事を書いたことがあったが、白い光だけじゃなく、物理的により明るい光を好むのもまた、日本人の特徴なのかもしれない。そういう日本の環境で育った日本人としては、暗い夜に慣れるまでが一苦労だった。そういえば子供の頃、部屋が暗いままで本など読んでると「目が悪くなるよ」と注意されたものだったが、向こうの人たちは、あんな暗い照明の下で夜を過ごしていたって、別に「目が悪く」なる訳でもないようだ。瞳の色が薄い人は、より光を感じることができるので、そのような人が多い欧州では暗い照明でも大丈夫なのだ、という話をどっかで聞いたことがあるけれど、その欧州だって、濃い色の瞳の人が大勢いるはずだから、やはり育った環境による慣れの方が大きいのではないかと思う。
 日本でも最近は橙色の外灯が増えてきたし、家屋の照明も、以前より黄色味の強い、いわゆる電球色が好まれる傾向にはあるようだが、やはりオフィスのような白色の照明をつけているところがまだまだ多数派だ。
 海外から帰国して、日本に戻ってきたことを最初に実感するのが夜だ。まばゆく白い光に満ちあふれた日本の夜。今回もたかが一週間やそこらの海外旅行だったが、帰宅してみれば、家の照明がなんだか明るすぎるし白すぎるしで、しばらくは落ち着かなかった。慣れってコワイ。
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by terrarossa | 2010-12-18 09:14 | 見聞録 | Comments(2)
Commented by eastwind-335 at 2010-12-31 12:04
私も語学学校に通った2週間、下宿先の部屋が暗くて暗くて・・・。
部屋中のスタンドを机の前に周りにもってきたものです。
語学学校が終わる時には元あった場所に戻すのに「あれー?こっちだっけ?」みたいな苦労もありました。

今年もいろいろと面白く、又、ためになる記事をありがとうございました。いつも更新を楽しみにしています。「世界の」サッカーや旅行記もですが、虫コーナーも楽しく読んでいます。
来る年もどうぞよろしくお願いします。
Commented by terrarossa at 2010-12-31 23:10
やっぱり欧州の夜は暗かったんですねー。逆に向こうの人が日本へ来たら、明るすぎて落ち着かないんだろうなあ。

こちらこそ、こんな僻地までお越しいただきありがとうございました。
相変わらず、気が向いた時しか更新しないダメブログですが、来年もどうかよろしくよろしくお願いします。


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